子どもの絵画展に賞をつけるべきではない
子どもの頃に絵画展で賞をもらったことがある人も多いのではないでしょうか。しかし、私は子どもの絵画展に賞をつけるべきではないと考えています。
そもそも、子どもは生まれも育ちも違います。育ちが違えば感じ方も違うのです。足の速い子もいれば、足は遅いけど暗算が速い子もいます。理科が苦手でも社会科で徳川将軍の名前を全部言える子もいます。
よく「十人十色」と言いますが、10人いたら10通りの答えがあるのは当然です。国語や算数のように、全ての子どもが同じ答えを出さないといけない教科ではありません。
図工や絵画は、子どもが自分の感性を表現する教科です。空は青色だから青色に塗らないといけないというルールはありません。その子その子が感じたままの素直な色を塗ればいいのです。
幼稚園や小学校低学年の子どもが描いたザリガニやうさぎの絵を見たことがあると思います。画用紙いっぱいに描かれたザリガニ、とても力強いハサミや真っ赤な甲羅。力いっぱい描いています。
不思議なのは、その周りにいる人間です。とても大きなザリガニに比べ、自分や友だち連れてきてくれた家族が端に描かれている、そんな絵を見たことがあると思います。人間より遥かに大きなザリガニですが、あれでいいのです。つまりザリガニの大きさが感動の大きさなんです。見てくれる人に伝えたい大きさなんです。
子どもの絵は素直です。心の中を絵を使って表現する天才です。そんな天才だらけの子どもたちに順位をつけれますか?どの子も自分なりの素直な表現をしているのに甲乙つけれますか?つけれないと思います。
ただ描きなぐった絵にも、描いた子の心がこもっています。どうか子どもたちの絵を自分の心のものさしで計らないで、子どもたちの心を汲み取ってあげてください。